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葉脈 デカルコマニー

 それは私が、彼と出会った時。じとっとした重たい夕暮れ。黄色を反映する、白い膜を張ったような黄緑が目に眩しかった。私は彼が驚かぬように、ゆっくり歩み寄る。目を見張りがら。静かに。
 彼はじっと上を見つめる。私に気付いたのか、気付かないのか、たまにピクリと動いては無防備になる。私が想像する彼の体は、とても柔らかく、優しい。少しでも爪を立てようものならぷつんと弾けてしまうのだ。きっと中は形のない水のようなものが詰まっている。光を筋にして、白く細やかな線を引っ張る。
 今まで彼を覆っていた枯れ葉のような殻がぽとりと落ちた瞬間、私は彼を連れ去らなくてはいけないような使命感に駆られた。欲求に合理化を重ねる。合理化に使命感を重ね、更に広範囲へ引き延ばす。
 私は彼を優しく連れ去った。部屋の中にいる彼は落ち着きがなく、白はすっかり濁り始めていた。私は焦った。どうにか彼を私の好きな彼に留めておきたかった。あの茶褐色で仰々しい不気味な物体に成り下がってしまうなんてと息を荒げた。彼が成りゆく姿。固い羽根の振動から発せられる音が耳をつんざく。
 私は机の上を乱暴にあさり、なんとか白紙を見つけ出すと、彼をぎゅっと挟んだ。彼は抵抗を全く見せず私の手の間でのびていく。冷たい感触は予想より固い。そしてかれは白い白い紙の上で落ち着いていた。
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[09/07 るんるん♪]
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だつお
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