[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
セーラー服コンプレックス
近くに私立の女子校があって、そこは落ち着いたセーラー服。幼馴染の仲良しだった女の子が通ってて、中学に入ってからは全然連絡を取っていない。でもごくたまに帰り道が一緒になる時、お堀にかかった橋を渡る。
風が強いと、水の音が聞こえて、水の中に何かが住んでいるような気がする。それを口に出すと、幼馴染のその子はふふ、と笑う。セーラー服に憧れていたというよりは、その子に憧れていた。
一度だけ、その子はセーラー服の話をしてくれた。かつて水兵たちはセーラーカラーを立てて、海風で聞こえなくなってしまった音を集めていたそうだ。
その子のセーラーカラーは、限りなく黒に近いが確かに青く、かすかに光のある暗闇のように、じっと見ていると段々青に近付いた。青の中には海風で聞こえなくなった無数の音たちがさまよっているようだったが、決して漏れる事はなかった。
風が強いと、水の音が聞こえて、水の中に何かが住んでいるような気がする。それを口に出すと、幼馴染のその子はふふ、と笑う。セーラー服に憧れていたというよりは、その子に憧れていた。
一度だけ、その子はセーラー服の話をしてくれた。かつて水兵たちはセーラーカラーを立てて、海風で聞こえなくなってしまった音を集めていたそうだ。
その子のセーラーカラーは、限りなく黒に近いが確かに青く、かすかに光のある暗闇のように、じっと見ていると段々青に近付いた。青の中には海風で聞こえなくなった無数の音たちがさまよっているようだったが、決して漏れる事はなかった。
PR