100％ゼロ

止まない涙でベッドに行けない

 母がお風呂からそのまま居間にやってきて、うつろな顔でタオルがない・・と言っていた。お風呂場の棚にたたんでおいたタオルがあるはずなのに、そのまままたお風呂に戻って行った。ここ1年くらい母がおかしく、夕飯時になるといつもこのうつろな顔になっていきなり(軽く)殴ってきたり執拗に殴っていいか、首を絞めていいか聞いてくる。ご飯をこぼしながらめんどくさそうに食べて、妹は酔ってるせいだよと言っていた。夜9時には寝て、11時近くに起きてトイレから洗面台、風呂場にかけて下着などを脱ぎ散らかして風呂に入る。それがどんどん酷くなっていく、妹は見て見ぬふりをして、以前からずっとこうだったかのようにふるまっているけど、そうじゃなかったのはちゃんとわかった上でそう思いこんでいる。母はお風呂から出て体を拭いてまたベッドに戻ってから、私がお風呂に入った。風呂場の扉はあけっぱなしで、浴槽のふたもだらっとはずれていた。シャワーを浴びると音がすごくて全然周りの音が聞こえなくなった。毎晩母は自分の足をかきむしるのでその音がうるさくてよく寝付けない。妹に絡んで、だから二人が寝付いてからベッドに入るようにしている。顔を洗ってシャワーを頭からかぶるとどうしようとずっと思っていた気持ちがふっときれて息がどんどんはやくなっていった。泣いてるみたいだったので深呼吸をしようとしたんだけど息がどんどんはやくなっていくからこれが大変で、もうどんどん加速していって息を止めようとしたりしてがんばってふつうの速さに戻した。そうすると涙も出てこなくなって、シャワーの音がちゃんと聞こえるようになった。それを何回か繰り返したけどどうにもならなかった。

>　さて、ここでハリウッド最強の小悪魔、リタ・グレイが登場する。本名はリリータ・マクマレーだが、本人は好んでロリータと自称したというから、その小悪魔ぶりが伺える。チャーリーとリタとの出会いは彼女が６つの時。彼が常連の喫茶店でリタの母ナナがウェイトレスをしていたのだ。おしゃまなリタはチャップリンさんと眼が合うとニッコリ笑ってはにかんで見せる。チャーリーが手招きするとリタは隣の席に収まる。そして、ものの５分もしないうちに二人は、ナナが運んできた紅茶とケーキを分け合っていた。